2018年活動報告 |
5月18日:沖縄県と交渉
場所:沖縄県庁(沖縄)
5月18日に沖縄県交渉を持ちました。
7月埋め立て土砂の投入を前に、 また、6月28日米国連邦裁判所での結審を前にして、 緊迫した情勢から厳しい交渉になりました。 出席者は県側が渡嘉敷基地統括官、辺野古対策課長、 海岸防災課長、自然保護課長、環境政策課長ら。 私たちは海勢頭豊代表とスタッフ、桜井国俊・沖縄大学名誉教授、 真喜志好一・平和市民連絡会共同代表、ジュゴン訴訟原告団ら6人と 沖縄県議7人(会派おきなわ、共産党,社民党、社大党)でした。 冒頭、海勢頭代表から沖縄ジュゴンの海を守るために早期の撤回を求める要請書を 渡嘉敷基地統括官に手渡しました。 交渉の要点は 1.翁長知事が護岸工事1年の時に「環境保全措置等について看過できない事態となれば、 躊躇することなく撤回を必ず行う」(4月25日)との決意をどのように受け止めているのかを出席者全員に確認しました。 2.「7月埋め立て土砂の投入が看過できない事態ではないのか」との質問には、 「法令違反があるか否かを調査している」と回答する一方、法令違反を積極的に調査する姿勢は感じませんでした。 海岸防災課は「ジュゴンCが3年前から行方不明」について、 沖縄防衛局・環境監視等委員会の昨年夏以降の議事録を引用し、 「(沖縄防衛局の)ジュゴン監視システムを慎重に注目する」と答弁しました。 これでは、工事の影響はないとする沖縄防衛局を容認することになります。 15年7月以降のジュゴンCの行方不明は工事の影響であると追及してきた結果、 環境監視等委員会で「議論」をせざるを得なくなったのが経過なのです。 しかも、環境監視等委員会の「ジュゴン監視システム」は ジュゴンを保護するためのものではなく、 工事現場にジュゴンが接近しないように工事現場を保護するためのシステムです。 3.公有水面埋立法第4条第1項第2号に違反しています。 第4条は埋め立て免許の取り消しについての条文です。 第1項2号は「環境保全および災害防止について配慮すべき」項目が明記されています。 そして、埋め立て願書(環境影響評価書の保全措置)の内容審査では、列挙されている 「免許禁止事項」に違反すると免許取り消しになります。 免許禁止事項の「(1)護岸工事、その他の工作物の設置において…天然記念物などへの悪影響」(実務便覧)は、ジュゴンの行方不明問題が該当します。 海岸防災課は本当に法令違反を追及する姿勢があるのでしょうか。 4.沖縄防衛局の環境監視等委員会は役割を果たしていません。 これは「埋め立ての関する承認書の留意事項」(H25年12月27日)に反します。 「留意事項2.工事中の環境保全対策」では「環境監視等委員会を設置し、外来生物の侵入防止対策、ジュゴン、ウミガメ等海生生物の保護対策の実施について万全を期すこと」 その理由は、沖縄防衛局が作成した環境影響評価書の「第7章保全措置」には、 「ジュゴンの生息範囲の変化が見られたときは、工事との関連性を検討し、対策を行う」(7.1.9.(1))としています。 ジュゴンCの生息範囲は辺野古・大浦湾の海草藻場であったのは環境省、沖縄県も認めています。そのことをふまえて、沖縄県は沖縄防衛局を追及すべきです。海岸防災課は本当に法令違反を追及する決意があるのでしょうか? 5.ジュゴン訴訟の結審(高裁差し戻し審)が6月28日に決まりました。 かって、地裁で私たちの原告が負けたのは「工事が始まったから」です。 また、最高裁で埋め立て工事が合法であるとした現実が今も継続しています。 だから、政府防衛省が埋め立て工事を急いでいるのです。 沖縄防衛局が県の行政指導を従わない中で、今こそ撤回すべきです。 撤回するための手続きには1カ月の「聴聞」期間が必要です。 5月中に撤回に向けた行政手続きが必要です。 「ジュゴン保護団体が埋め立て承認撤回を要請」(琉球朝日放送5月18日) 海勢頭代表はインタビューに答えて 「アメリカの裁判が6月の28日頃に結審という状況を迎えているので、それを逆算すると今、県のほうが承認撤回に向けて動いてくれないと間に合わないという危機的状況にある」と話しました。 沖縄タイムス(5月19日)「県の『聴聞』後 撤回を要請 環境団体が県に」 琉球新報(5月19日)「早期撤回を要請 『危機的状況だ』 ジュゴンセンター県に」 しんぶん赤旗(5月19日)「埋め立て承認撤回 ジュゴン保護団体 沖縄県に要請」 沖縄県が市民とともにスクラムを組むことを強く願って ジュゴンの保護者より |