9月6日~10日までのハワイで開催された
IUCN、世界自然保護会議の総会の様子を報告します。
IUCNは、161カ国、217の省庁、1,066のNGO、48のパートナー団体、16,151を超える
専門委員からなる世界最大の生物多様性保全に関わるネットワークです。
4年に1度開催される世界自然保護会議は今回で、第6回目。
10,000人を超すNGO、研究者、企業、政府などが参加しました。
総会では、この4年の活動の報告や今後4年間の方向性を議論します。
総会の中では、IUCNの話だけでなく、
国際的な法律でもある環境関連の条約や協定、目標の名前が
いくつも出てきて、IUCNでの話し合いが世界のルールや
世界の政治に影響を与えていることを実感しました。
大人数での会議なので、どう進めるかと思っていたら、
前での話し合いとマイク付の投票マシーン、
ネットを使っての会議でした。
例えば、重点課題である、農業や海洋の話をした時は、
前でパネルディスカッションをした後、
質問や意見がある人はネットで質問や意見を出して、
専門家の人たちが更にそれについて議論を深めていきました。
それから、様々な動議(モーション)の投票も行いました。
動議と言うのは、IUCNの会員が今、世界的に
重要だと思われる課題などについて、提案できるしくみです。
私達SDCCも他の団体と一緒に
「辺野古埋め立て土砂への外来種の混入対策の強化求める動議」
を提出し、事前投票で採択されました。詳しくは↓
http://blog.goo.ne.jp/sdcc/e/d66f42285fff7574b810384238392c19
提案が多くなってきたので、総会での議論に時間的な支障をきたさないため、
今回から、事前の投票がもうけられました。
その中で決まらなかったものや、新たに緊急で提案されたものが
今回の総会では話し合われました。
画面は英語、スペイン語、フランス語で映し出され、
同時通訳でその3つの言葉を聞くこともできます。
通訳者のブース↓
会員は、こんな感じの機械を使って投票します。
マイクがついていて、発言もできます。
投票は、政府機関会員によるカテゴリーAと
NGO会員からなるカテゴリーBでそれぞれ過半数の票がないと可決しません。
政府機関も賛成して通ったというところにも、
IUCNでの採択の重みがあるように思います。
結果もすぐに画面に映し出されます。
日本政府は会議の中でも、象牙や海洋、国家を超えた自然保護など、
自然を守る立場よりは、使う立場を優先している発言が目立ちました。
そして、それがあたかも日本人の総意のように発言していることに
とても違和感を覚えました。
「辺野古埋め立て土砂への外来種の混入対策の強化求める勧告」は
IUCNという世界最大の生物多様性保全に関わるネットワークで
採択されたものです。
これは、一部の人が決めたことではなく、民主的な議論や投票を通して、
政府機関会員とNGO会員の両方の投票を得て、決まった国際的な総意です。
ぜひ、みなさんもこのIUCNの勧告を、ジュゴンを守る世界的な声として、
多くの人に知らせ、実際に「基地ではなく、ジュゴン保護区を」を
実現するエネルギーに使っていただければと思います。