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辺野古反対国会包囲の翌日、9月13日に法政大学市ヶ谷キャンパスで
開催された「辺野古の海の生物多様性を伝えるシンポジウム」に
参加してきました。
法政大学には、沖縄文化研究所があるとのこと。つながりを感じます。
なぜ、辺野古の海を埋め立てることが問題なのか、文化人類学者、地理学者、
生物学者、ジャーナリストなど、多様なジャンルで活躍されている方々の
興味深いお話を伺いました。
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沖縄・生物多様性市民ネットワーク代表、SDCCの国際担当でもある吉川秀樹さんは
「誰がジュゴンを語るのか〜ジュゴンと人との関わり」をテーマに、
ジュゴンの文化的側面、人とのかかわりを中心に話されました。
”様々な人がジュゴンについて語っているが、すべての人が「ジュゴンは守られるべきだ」と
言っています。今必要なのは、科学的に語れる専門家と、その専門家が語れる場所を
わたしたちがつくること”
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国士舘大学の中井達郎さんは、ご専門はサンゴ礁地域の地形学・地理学。
テーマは「沿岸地域自然環境の保護における場の多様性の意義〜沖縄島・辺野古大浦湾を例に〜」
辺野古・大浦湾の沿岸地域における生物の生息環境の場の多様性の説明や
埋め立てが潮流に大きな影響を与えることをわかりやすくお話しされました。
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IUCN-J会長、筑波大学教授の吉田正人さん
テーマは「市民参加調査から見えてきた辺野古・大浦湾の自然環境の重要性」
吉田さんは、2002年から辺野古周辺海域での市民参加による海草調査(ジャングサウォッチ)を
実施され、辺野古の海草藻場が沖縄島において、最大級の規模であるだけでなく、
多様性が高く安定していて、ジュゴンにとっても貴重な場所であることを実証されました。
このジャングサウォッチは、辺野古の基地反対運動にも大きな役割を果たしてきました。
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日本自然保護協会の安部真理子さん
テーマは「世界に誇る辺野古・大浦湾のサンゴ礁の海」
辺野古・大浦湾のサンゴ礁の海の生物多様性を守ることの重要性と
基地建設をめぐる問題点についてお話しされました。
安部さんは、毎年何度も沖縄を訪問されて、リーフチェックや水質検査を
続けられています。今後も積み重ねたデータをもとに、政策提言をするとのことです。
後半のパネルディスカッションでは、まさのあつこさん(ジャーナリスト)が加わり、
辺野古・大浦湾の埋め立てが進められた場合、何を失うかについての議論がありました。
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SDCCはブースを出展し、署名集めグッズ販売のほか、辺野古テント村へ送る
バナーへメッセージをかいていただきました。
生物多様性豊かなこの海を守ろうという思いがますます強まったシンポジウムでした。
ありがとうございました。
主催は日本自然保護協会、こちらで当日の報告をご覧いただけます。
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