辺野古の埋め立てに必要な土砂2100万㎥の大部分は、
奄美や瀬戸内、天草、五島列島、鹿児島などから沖縄県に持ち込むことが
計画されています。辺野古への土砂持ち込みは、外来生物種の侵入など
沖縄県の生態系へのリスクが考えられます。
一方、土砂供給地の生態系への悪影響についての有効な対策もまったく
行われておらず、このままでは、沖縄県と土砂供給地両方の自然破壊が
進んでしまいます。
奄美での、調査、フォーラム、全国集会に参加してきました。
まず、5/29の調査報告から
ここは、奄美市住用町市(いち)地区の採石場所。
削られた山から、土砂が海に流れ込んでいきます。
雨が降ると、いつ崩落して、国道をふさいでしまうかわからない
とても危険な状態です。
この辺りの海は、1990年の調査では、サンゴの被度が
5~50%のとても良好な状態だった場所です。
海の生き物守る会の向井宏さん、日本自然保護協会の安部真理子さん、
地元のダイバーの3人が、土砂の流入の様子、サンゴに与える影響を
潜水調査されました。
調査を終えて、戻ってこられた安部さんのウエットスーツに
泥がいっぱい付着しています。
普段のサンゴ調査では考えられないとのこと。
地域の公民館で、報告会がありました。
向井さんは
「波打ち際は石がごろごろしていて、離れるとヘドロが堆積している。
透明度は1mほどしかない。
サンゴは少し生きていたが、魚や貝など生きものの姿がほとんどいない
死の海になっている。こんなに魚がいないのははじめて。」
安部さん
「生き残っているのは、ハマサンゴ、キクメイシなど、比較的環境が
悪いところでも生きられる種類のもの。30cm以下のものが多く、
状態が悪い、死にかけているものも目にした」
ほとんど泥におおわれておるハマサンゴ。
生きているのは、白い部分だけです。
あまりにひどい状態に、住用の住民の方も絶句。
このあたりは、潮の流れがゆるかやで、堆積したヘドロは
台風が来ても、流されて行かないとのこと。
生態系の回復には長期間かかることが予想されます。
とにかくまず土砂の流れ込みを止めなければ、死の海の範囲は
広がっていくでしょうという結論でした。
奄美は世界自然遺産候補になっていて、住用はこんなリーフレットを
作っているのですが、この写真は20年前のもの。
今は、船の上から眺めても、水が濁っていて、潜りたくなるような
海ではありませんでした。まやかしではなく、本当に海山を
守ってほしいと思いました。
奄美といえば、美しい山、海を思い浮かべる方も多いかと思いますが、
いたるところで山が掘削され、山肌がむき出しになっています。
がけ崩れが、毎年のように起こっています。
調査で、沿岸のにごりは採石場からの土砂によるもの。
これ以上土砂採掘をすれば、島の山は、海はどうなってしまうのか・・・。
奄美の土砂を島外に出さないでほしいと、地元の方々は辺野古への
土砂搬出を大変心配されていました。
調査の様子が、南海日日、奄美新聞、沖縄タイムス、琉球新報に掲載されました。
沖縄タイムス 5/30
ZAN