2015年活動報告 |
4月17日:各省交渉
場所:防衛省、環境省、外務省(東京)
翁長沖縄県知事と安倍首相の初会談の日、防衛省、環境省、外務省との交渉に臨みました。 まず市ヶ谷の防衛省へ。 サンゴや海草など環境保全について、環境監視等委員会の議事録について質問をしました。 第1回と第2回の議事録に、委員から他の省庁と連携してオールジャパンでの取り組みを強く求めることが明記されています。 防衛省の担当者は適宜協議しますと言いながら、実際には環境省への要請はしていないことがわかりました(環境省でも確認)。 昨年5月からの約2カ月で110本以上のジュゴンの食み跡が発見されました。 辺野古・大浦湾がジュゴンにとって、とても重要な場所であることが改めてわかりましたが、第3回委員会(今年1/6)では、議題に取り上げられませんでした。 これについて、担当者は 「第3回委員会では、台風被害でフロートやアンカーが流されサンゴが傷ついたことなどを議題にした。議題はそのときどきに決めるが優先事項があった」 と述べ、ジュゴンの優先順位が低く後回しにされていることがわかりました。 仮設桟橋設置の理由を聞くと 「荷物の搬入、作業船の係留など、より効率的にするため」とのことですが、現在ボーリング作業が、仮説桟橋がなくてもできている(必要がない)ことを指摘されると、答えに窮していました。 今後のタイムスケジュールは、作業の安全確保に支障が生じるのでお答えできないとの返事。沖縄県が作業の一時停止を求めても、1日も早い完成のために応じることは出来ないそうです。 最後にSDCCから、委員や環境省の意見を聞くべきではないか、環境保全のため現地調査をしっかりしてください、基地建設を進めることと、辺野古のジュゴンを守ること、どちらが平和を守ることになるのか考えてほしいと提言しました。 続いて、霞ヶ関の環境省へ。 まず、大型コンクリートブロックによるサンゴ破砕について意見を聞きました。 担当官「大浦湾の環境保全は大切だという認識はあるが、環境省は大浦湾だけの保全をしているわけではない。個々の事例については事業者(ここでは沖縄防衛局)がアセスなどに基づきやっていると認識しています」 沖縄ジュゴンの保護については、 「古宇利島で生まれたこども(アセスでは個体C)の動きについてはよくわからない。2、3年前八重山で目撃情報があったりで、沖縄ジュゴンは3頭だけということはないのでは。」 「ジュゴン保護の今後の取り組みとしては、引き続きジュゴンレスキューなどをやっていく」 世界的に見れば、ジュゴンレスキューは、混獲からジュゴンを救うための重要な取り組みですが、沖縄ジュゴンの喫緊の課題はそこではありません。 大浦湾の環境保全のために、何かやれませんかとの問いかけに、「防衛省からの要請があれば意見を言いますが、問い合わせはありません。 私たち公務員は、法に則って仕事をするだけです」と、環境を守りたいという気概が微塵も感じられませんでした。 外務省では、まず山城博治さんたちが米軍に逮捕された件について聞きました。 米軍指揮下の民間人が日本人を拘束したことについては、「日米地位協定で日本人警備員でも拘束することが決まっている。刑事特措法の疑いで高速された件については、調査中なのでコメントできない」との返事。 民間人の拘束について、日米地位協定の取り決め自体がおかしいのではないか、という考えはないようでした。外務省には、民間人の人権を守るためにがんばってもらいたいものです。 あと、来年ハワイで開催されるIUCN(国際自然保護連合)・第5回世界自然保護会議についてお聞きすると、「たくさんの決議が出るので、これからスタンスを検討します」とのことでした。 世界自然保護会議では、沖縄ジュゴン保護の勧告/決議が過去3回出ています。 SDCCは2004年、2008年、2012年の会議に参加し、議案の提出、採択に関わってきました。 世界に沖縄ジュゴン保護を訴えるため、来年のハワイ会議に向けて、大きく取り組んでいきたいと考えています。 ZAN |