2008年活動報告 |
7月12日:学習会/世界の声でジュゴンを守ろう
場所:中之島公会堂(大阪)
その1
―第4回世界自然保護会議(バルセロナ)で、 日米両政府にジュゴン保護を求める勧告採択を― を開催しました。 まずはじめに、「ジュゴンってどんな生きもの?」の説明をしました。 ジュゴンはアフリカ大陸東海岸〜インド洋〜オーストラリア・東南アジアにかけて断続的に生息しています。 沖縄のジュゴンは生息域の北限です。 ほとんどの地域で、開発や混獲などにより、ジュゴンの生息数が減って保護を必要としています。 日本のジュゴンは、数が極端に少ない上に、重要な生息地に米新基地建設が予定され、さらに追い詰められています。 |
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次にIUCN(国際自然保護連合)についてお話しました。 IUCNについては、今年4月のSDCC総会報告を参照してください。 このIUCNの4年に一度の世界自然保護会議で、2000年、2004年の2度にわたり沖縄のジュゴン保護勧告が採択され、沖縄ジュゴン保護の国際世論は広まっています。 次は、バルセロナ会議での勧告案について説明しました。 今年の10月にバルセロナで開催される第4回世界自然保護会議でSDCCをはじめとするNGOが3度目の勧告採択をめざします。 ジュゴンを守るための国際的な取り組みとしては以下のものがあります。 ・2002年2月UNEP(国連環境計画)報告書 『ジュゴンの現状と国別・地域別の行動計画』 ・2002年9月ボン条約勧告7.5 |
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UNEP報告書やボン条約勧告7.5では、ジュゴンの生息域を持つすべての国に、ジュゴンの保護と管理のための行動計画作成などを求めています。 ・2004年第3回IUCN世界自然保護会議(バンコク)でアジア・太平洋のジュゴン保護ネットワーク作りのための集会開催 ・2005年バンコクで「第1回インド洋ならびに東南アジア地域におけるジュゴンの保全会議がタイとオーストラリア政府を中心に開催される ・2006年第2回会議がバンコクで開催される ・2007年第3回会議がアブダビで開催され「ジュゴン生息域すべてにおけるジュゴンの保護と管理のための覚書」が採択され参加国が署名しました。 ボン条約というのは「移動性野生動物種の保全に関する条約」で渡り鳥のほか、トナカイ、クジラ、ウミガメ、昆虫類などの移動性動物の種と生息地の保護についての条約ですが、日本は捕鯨問題などがネックになってか、未加盟です。 しかし2007年のジュゴン保護の覚書には参加できるはずです。 このようにジュゴン保護は国際的に大きな動きとなっています。 そこで、バルセロナでの世界自然保護会議ではUNEPとボン条約(CMS)に対して 勧告1.ジュゴン保護を促進することを目的に、2010年を国際ジュゴン年と設定すること 勧告.2 2007年のジュゴン保護覚書に参加することを求めます。 また、今年1月に判決が出たジュゴン訴訟で、米国連邦地裁がアメリカが基地建設の当事者であること、基地建設による沖縄ジュゴンへの影響の考慮を含む国家歴史保存法の遵守を求めたことを踏まえ、 日本政府と米国政府に 勧告.3 日米共同アセスメントの実施を求めます。 日本政府は国際的なジュゴン保護の流れを受けて、ボン条約覚書への参加をし、そして日米共同のアセスメントでジュゴンの海を守ってください。 |