2007年活動報告  

1月27日&28日:第2回じゅごんの里からのメッセージ
場所:27日・大阪市立総合学習センター第1研修室
28日・京都ひとまち交流館 第5会議室

東恩納琢磨さんのお話の概要その2



大浦湾カヌーツアー(じゅごんの里H.Pより)
 ☆自然を大切にした地域づくり
  大浦湾カヌーツアーなどエコツアー


2001年以来毎年、じゅごんの里には修学旅行生たちが訪れ、大浦湾カヌーツアーを体験していきます。去年も約30校来たということです。
カヌーにはエンジンがついていないので、静かに大浦湾の自然を味わうことが出来ます。
海からキャンプシュワブを見た子どもたちが「あれはリゾートホテル?」と聞くほど、キャンプシュワブは風光明媚な素晴らしい場所にあります。
最初は東恩納さんの基地の話をめんどくさそうに聞いていた子どもも、帰るときには「おじさんがんばって!」と声をかけてくれたりするそうです。


マングローブ観察(じゅごんの里H.Pより)
大浦湾カヌーツアーのほかマングローブ観察、琉球紅型体験その他色々な体験ツアーをすることができます。
もちろん、修学旅行でない一般のツアーも出来ます。
詳しくはじゅごんの里H.P
「各種体験ツアーのご案内」 をご覧ください。

東恩納さんはこの他、大浦湾のカタバル(干潟)にマングローブを植えたり、もずく採りツアーを計画されたりしています。
自然を大切にし、いかすことで、地域をイキイキさせようというのが、「じゅごんの里」の取り組みです。


☆ジュゴン訴訟と大又遺跡

米国の文化財保護法は、域外適応といって、米国以外の場所でも米国が関与し、文化財と認められたものについては、この法律が適応されます。
東恩納さんたちはジュゴンの海を壊す基地建設は、米国の文化財保護法違反ということで、オークランド連邦地裁(カリフォルニア州)に米国国防省を訴えました。
沖縄ジュゴン「自然の権利」訴訟 (PDF)

沖縄ではジュゴンはザンと呼ばれ、ニライカナイからの神の使いとして昔から大切にされてきました。
オークランド地裁はジュゴンが文化財であること、基地建設に米軍が関与していること(作るのは日本で、日本国民の税金が使われますが)を認め、今後実質審議が行われることになっています。


海から見たキャンプシュワブ
このあたりに遺跡が…
昨年10月、キャンプシュワブ内に4つの遺跡があることが公表されました。
これらの遺跡は古代沖縄と本土の貝交易を通じた交流の、重要な遺跡である可能性があります。
この遺跡もジュゴン訴訟に追加できるかもしれないと東恩納さんがおっしゃっていました。
また、遺跡の発掘に関して現地で、名護市教育委員会との交渉がもたれ、調査の公平性を保ち、きちんとした調査をするため、経費は防衛省のお金ではなく、名護市独自の予算で行うこと、調査を公開することなどを確認しました。

遺跡の徹底した調査と保存が行われるよう見守っていきましょう。
☆環境アセスメント

1月19日の「普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会」では、環境アセスメント方法書の提示は見送られました。
いつ方法書が公告縦覧されるのかはまだわかりませんが、方法書に係る手続きには、3ヵ月半ほどかかります。
手続きが終わるのを待っていては、5月〜6月のサンゴの産卵調査は間に合いません。
そこで、那覇防衛施設局はアセスと切り離した「予備調査」としてサンゴの産卵調査を行おうとしているということです。
アセスの形骸化につながる事前調査を許してはいけません。

辺野古のサンゴ ハナガサミドリイシ
東恩納さんは「1998年の白化現象で、辺野古と大浦湾のサンゴはダメージを受けたが、ブダイや貝類に食べられるためか回復が遅く産卵できるような大きなサンゴはあまりない」とおっしゃっていました。
今後食害から守るため、恩納村などでやっているように、網をかぶせるなどの取り組みを考えているそうです。
このような状況では、産卵調査を単年度で済ませることは疑問です。

辺野古のサンゴ アザミサンゴ
また、「防衛施設局はサンゴ、サンゴとサンゴばかりを強調しているが、大浦湾にはウミガメやその他たくさんの貴重な生きものがいるんです」とおっしゃっていました。

今後、定点観測の場所を設けて、市民の手でサンゴの調査をしていきたいということです。