2010年活動報告  

10月23日:COP10 フォーラム「ジュゴン保護と日本の国際責任」
場所:名古屋学院体育館・名古屋


10月23日 COP10でSDCC主催のフォーラム「ジュゴン保護と日本の国際責任」を開催しました。
海外の方も参加されているので日本語と英語と交互に話をしたので大変です。
司会はSDCCのきれいどころが担当。
開会あいさつはSDCC代表の海勢頭さん。ジュゴンが古来より沖縄では、竜宮神の使い、平和のシンボルとして信仰の対象なってきたこと、沖縄戦の経験と米軍統治、その苦難のなかで沖縄民衆が天皇制の呪縛から解放されてきたこと、今、日米政府がジュゴンの海に基地をつくろうとしているとき、ジュゴンをまもることは、沖縄古来よりの平和な生き方を守り、日本を変える運動であると、強く訴えました。
70名定員の会場は、海外からの参加者も含め100名近く。立ち見もでる盛況でした。
報告は生物多様性沖縄市民ネットワークでSDCC国際担当スタッフの吉川秀樹さん。
米軍の基地支配のもとにある沖縄では「平和 人権 環境」をひとつにした活動が不可欠であること。2008年バルセロナのIUCNから今年10月アブダビでのジュゴン保護国際会議につながるジュゴン保護の世界的流れは、確固としたものであること。日本政府の消極的態度は際立っており、国際的批判は免れないことが説明されました。
次の報告は、生物多様性市民沖縄ネットワークの河村雅美さん。
ジュゴン訴訟の生物多様性条約における意義についてお話されました。
カリフォルニア連邦地裁は、沖縄ジュゴンがアメリカの国家歴史保存法の定める「文化財」と認めました。これはジュゴンが沖縄の人々の中で持つ文化的意義を認めたものです。
生物多様性条約は、先住民の権利擁護を重要な柱にしています。沖縄の人々の平和のシンボルとしてのジュゴンを守ることの意味が、生物多様性条約からも裏付けられます。
質疑応答の中で海外の方が沖縄でのジュゴン保護の活動のことを質問され、会場には沖縄から来ていた浦島悦子さんに説明してもらいました。
ジュゴンを守ることは、「基地は要らない」ということにとどまらず、「海と土地を奪わないで。文化を壊さないで」という沖縄の人々の要求である、と河村さんはお話されました。

「竜宮の使い」ジュゴンを、世界の人々とつながって守ることができる。それが沖縄の人々の歴史・文化・生活を守り、日本を平和に変えることにつながると確信できたフォーラムでした。