2008年活動報告  

10月14日:IUCN世界会議9日目
場所:バルセロナ(スペイン)


  今朝10時35分に勧告案が採択されました。
票数は賛成が258(政府関係56,NGO関係202)、反対が9(政府関係6,NGO関係3),棄権が89(政府関係42,NGO関係47)です。
棄権は票数に入りませんから、賛成は97%、反対は3%です。前回と比べると賛成率が増えています。

 採択された勧告では、2010年国際生物多様性年にジュゴン保護を明確に位置づけました。
それは、当初の案では「UNEP(国連計画)やCMS(ボン条約)が取り組むことを支援する」となっていたのですが、IUCNと種の保存委員会(SSC)が取り組むことを明確にしました。
IUCNが実行する総会決議の意義を持ちました。

 2点目の意義は、ボン条約のジュゴン覚え書きに日本政府の参加を求めたことです。
すでに11か国が参加をし、タイ政府の参加も目前になっていますが、2010年国連生物多様性年の議長国として、絶滅危惧種であるジュゴンの保護が国際的に求められてくるに違い有りません。
2010年生物多様性締結国会議議長(名古屋開催)を前に、絶滅危惧種のジュゴン保護を進める国際的な流れに背を向けることが困難になるに違い有りません。

 3点目は環境アセスメントについてです。
 米国政府には、ジュゴン訴訟をふまえて日本政府とともにジュゴン保護の行動計画を作成するための環境アセスメントを求めました。
 日本政府にはゼロオプションを含めてジュゴン保護のために学者・研究者・NGOと相談しながら、環境や野生生物を保護する環境アセスメントの実行を求めました。
さらに、基地建設による影響を回避し、低減するための行動計画をつくり、明らかにすることを求めています。
環境アセスメントについて、より具体的な勧告になりました。 

 96か国1749筆の署名に現れた参加者の支持が、私たちの勧告をより充実させるものなりました。
このIUCN勧告の履行を求めて国会請願署名を取り組みます。
ご協力、ご参加をお願いします。


バルセロナでのプレスリリースはこちら