大浦湾モニタリングツアー報告      


   大川

二見以北10区は海沿いの村が多いのですが、大川は大浦から大浦川沿いを少しさかのぼった山の中にある屋取(やーどぅい)部落です。
二見以北10区の中では二見、大川、三原、底仁屋が屋取部落です。
その昔、この辺り一面は【段々畑】だったそうです。
山裾には今でもその面影が残っています。
畑の境界の柵にはサンゴが使われていたりするのが、沖縄らしいところです。

大浦川と大川橋
琉球王朝時代、『山奉行』という役職がありましたが、「人々の生活に大切なものが山にあった」ということが、うかがわれます。


大浦湾のマングローブ林

マングローブ林は熱帯、亜熱帯で海水と淡水が混ざり合う汽水域に発達する植物群落です。
沖縄本島のマングローブ林はオヒルギ・メヒルギ・ヤエヤマヒルギ・ヒルギモドキの4種。
大浦川で見られるのは、主にオヒルギとメヒルギの2種です。構成樹種は少ないものの面積・保存状態ともに良好であることから、1995年に名護市の天然記念物に指定されました。
マングローブ林の中は小鳥などの棲みかになり、木の根本のまわりにもアナジャコをはじめとしたたくさんの生き物が棲みつきます。大切にしたい場所です。

赤い花のオヒルギと白い花のメヒルギ。
花のあと胎生種子をつけます。
普通の種子は地面に落ちてから発芽しますが、ヒルギの仲間は樹上で発芽してから落ちます。
これが胎生種子です。