2006年3月25日
第4回ジュゴン連続セミナー
ーフィリピンのジュゴン保護についてー
場所:エル大阪
●鳥羽水族館副館長を務める浅野四郎さんのお話の概要です。●
★その2★
【世界のジュゴン】
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ペルシャ湾西側の国バーレーンで撮影されたジュゴンの群れ。一つのグループで674頭いると説明がついています。世界にはこんなにジュゴンがいるところもあるのだと、ただただ驚きです。
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バンクスアイランド(オーストラリアとニューギニアの間にある島)でのジュゴン漁の様子。
先ず尾びれを切り、筋を入れて肉をはがします。
とても手早い作業だそうです。
この島では月に一度船が食糧を運んでくるだけで、それ以外のときにここで捕れる食べ物は、ジュゴンとウミガメ、さかなだけということです。
このようにジュゴンが生活の糧になっている地域もあります。
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ジュゴンの胃。大きくてとても硬いものです。
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胃の中身。海草でいっぱいになっています。
胃壁を取ってもくずれません。
マナティーの胃も同様になっていて、ジュゴンもマナティーも栄養価の低いエサをお腹いっぱい食べて生きていることがわかります。
こんなに胃の中身がいっぱいなので、胃がどうやって動いて消化するのか不思議な気がしますが、ジュゴンやマナティーの盲腸はとても大きくて、ポンプの役目をしていると考えられます。
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ウミショウブという硬い消化しにくい海草です。
ジュゴンはウミヒルモやマツバウミジグサのようにやわらかい海草が好きなのですが、それらがないところでは仕方なく、こんな硬い海草を食べることになります。
いくら栄養価の低いものを大量に食べて生きるとはいえ、これでは体を良い状態に保つことが出来ません。
沖縄でも海草藻場の状態が悪くなるとジュゴンの栄養状態が悪くなり、繁殖にも影響が出るのではと懸念されます。
ジュゴンにとって良好な海草藻場の存在が、もっとも大切であることがわかります。
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