☆ジュゴンの海を壊すキャンプシュワブ沿岸案☆


2005年10月29日、日米両政府は普天間基地の移設先をキャンプシュワブ沿岸部とすることで合意、発表しました。滑走路の長さは1800m、大浦湾側には大きな駐機場が突き出ています。大浦湾の埋め立てや辺野古崎の建設は海の潮流を変え、赤土やヘドロで海草やサンゴを確実に破壊します。また、大浦湾には「歩くサンゴ」(スイショウガイに共生するキクメイシモドキ)やユビエダハマサンゴの群生などが確認されています。従来の辺野古沖案は現地での座り込み、海上阻止行動、そして全国の「この海を壊させない」という世論により破綻しました。沿岸案もみんなの力で止めることが出来るはずです。

2005/10/27琉球新報

   
    従来の辺野古沖案                   「歩くサンゴ」キクメイシモドキ



沿岸案では辺野古沖案に比べ、滑走路が辺野古集落に随分近くなっています。また近隣の集落も飛行ルートに入るなど、騒音問題等も心配されます。沿岸案には周辺のすべての自治体・漁協が反対し、名護市長、沖縄県知事も反対です。世論調査でも沖縄県民の7割以上が沿岸案に反対しています。2005年10月30日の沿岸案に抗議する県民総決起大会には、緊急であるにもかかわらず5000人を超える県民が集まり『沖縄は無人島ではない』と強い抗議がなされました。政府は沖縄県の声に耳を傾けるべきです。

                  大浦湾のユビエダハマサンゴ
                      「大浦湾の生き物たち」はこちら



         
2005年10月30日の県民総決起大会               ジュゴンのエサの海草
SDCCもジュゴンとともに参加しました。


          ☆新沿岸案に反対 住民頭越しの合意に抗議の声を☆

4月7日、額賀防衛庁長官と島袋名護市長は、従来の沿岸案にさらにV字型に滑走路を一本追加する修正案で合意をしました。
「離陸専用」の滑走路を追加することで、飛行ルートが付近の集落をさけられることが合意の大義名分のようです。
しかしこれはまず基地機能の大幅な強化です。

そして埋め立て範囲が増え、環境への影響も一層大きくなります。政府は2本の滑走路で離陸と着陸を分けると言っていますが、日米地位協定で米軍は基地使用に関して「排他的独占権」を持っているので、滑走路の使い方は自由です。

またタッチアンドゴー(離着陸)訓練のときに、滑走路を使い分けることは不可能です。
騒音被害など従来の沿岸案より大きくなる可能性があります。


画像:朝日新聞2006年4月9日

名護市では米軍基地関連予算が一般会計の15%を、宜野座村、金武町では25%を占めています。
また名護市の場合の半分が軍用地代です。
こうした事情につけこみ防衛庁はまず周辺自治体首長を東京によびつけ新沿岸案の受け入れを強要しました。
そして名護市も周辺自治体の「受け入れ表明」を踏まえて、合意をせまられたと言えます。
しかしこうした強引なやり方で民意をくつがえすことは出来ません。


画像:読売新聞

稲嶺沖縄県知事は「防衛は国の専管事項」「名護市の判断を尊重」など新沿岸案容認を容認する発言をする一方、「従来のリーフ上案でなければ、県外移設を」の姿勢も崩していません。それは「基地整理縮小、撤去」という県民要求を、保守県政であれ革新県政であれ無視することは出来ないからです。

沖縄タイムス社が十五、十六、十七日に実施した電話による世論調査で県民の71%が新沿岸案に反対しています。そして同案を容認した島袋名護市長の判断については68%が「不支持」を表明しています。

沖縄タイムス 4月19日朝刊
滑走路2本「反対」71%/沖縄タイムス世論調査
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200604191300_01.html



今回の合意に関して、地元住民、漁協、市議会への説明はいっさいありませんでした。
これは規模が拡大された沿岸案そのものであり、沿岸案反対で当選した島袋市長の公約違反はあきらかです。住民の頭越しに決められた合意の撤回を求めて、島袋市長、額賀防衛庁長官へ抗議のFAXを送りましょう。
抗議FAX用紙のダウンロードはコチラから



ジュゴンの棲む美しい海を壊し、住民に負担を強いる基地はいりません。
ジュゴンの保護区を作る運動をすすめましょう。
ジュゴンと共に生きる地域は、きっと人間にとっても豊かな地域づくりにつながるはずです。


2006年3月12日  
大浦湾基地建設予定地を
船で見に行きました。
大浦湾にはサンゴの群生が発達し、
熱帯魚もたくさん棲んでいます。

こちらは辺野古側。
ジュゴンの餌場(海草藻場)
が発達している場所です。
海の美しさに感嘆するとともに、
この海を壊してはいけないという思いが
いっそう強くなりました。


             ☆いのちをはぐぐむ辺野古の海☆

辺野古の海は、たくさんのいのちをはぐくむ豊かな海です。サザエ、タコ、産卵のためにやってくるスクガラスの群れ。海草の藻場はイカや魚たちの産卵場です。地元の人たちは長くこの海とともに生活を営んできました。戦後の食糧難の時代にもこの海からの恵みで、生活をつなぐことができたと地元のお年よりは話しています。そしてさんご礁には一つひとつ名前(地名)をつけ、大切にしてきました。


 長島から見た「ウフビシ」の眺め       イノーで遊ぶ、キャンプシュワブを望む    

辺野古のサンゴは数年前の白化現象で大きな被害をうけました。しかし今たくましく再生しつつあります
浅瀬にはジュゴンの餌ともなる海草藻場が広がっています。藻場ではジュゴンの食み跡(ジュゴントレンチ)が発見されています。







                       辺野古の海草

                  
 日本自然保護協会のシーグラスウォッチ・ジャパン



             



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